心理臨床活動
問題行動を学びの機会にする対話方法
米国で開発されたLSCIプログラムを紹介する活動を行っています。
このプログラムは、子どもの問題行動を学びの材料としてしっかり検討することで、その子どもの成長を促そうとするものです。
大人が一方的に叱責しても、子どもの心には届きません。むしろ、子どもと対話していく中で、子ども自身が自分の問題に気づき、次回以降の対処策を主体的に考えたり訓練していったりすることが大切です。そのようにしていくために、どのように対話を進めていくとよいかを検討したのが、LSCIのプログラム内容になっています。
「リ・コネクト」プロジェクト
すぐに自立した社会生活を送ることができずに更生保護法人に在所している窃盗等の財産犯の女性に対して、現役保護司や保護司OGと一緒に、「リ・コネクト」プロジェクトを行っています。
このプロジェクト名である「リ・コネクト」の「リ」は『再び』、「コネクト」は『つなぐ』の意味です。犯罪者の多くは、誰ともつながっておらず自分一人なので好き放題して構わないと考えたり、あるいは、犯罪をそそのかすような人と交流したりして、犯罪に走ってしまっています。ですから、そのような結びつきを再検討して、再び犯罪に走ることがないよう、社会適応している人や健康的な考え方と「結びつき直そう」との願いから、「リ・コネクト」と命名しました。
同プロジェクトでは、以下のワークシートを使って、自身や自身の犯罪についての洞察を深めてもらったり対処方法を検討してもらったりしています。このワークシートの主旨等は、早稲田大学社会安全政策研究所紀要vol9に掲載されております。よろしければ、合わせてご覧ください。
・リ・コネクト ワークシート(PDF)
・ワークシート メモ(PDF)
違法薬物依存者への働きかけ
違法薬物を使って、繰り返し受刑している人たちがいます。刑務所ではそうした人たちに薬物離脱教育を行っていますが、刑務所に入っているときだけそのような働きかけを行うのでは十分でありません。薬物を手に入れようと思えば入れられる環境の中で、それでも使わないままでいられるようにしていくことが大切です。「もうやらないから平気」と言っていた人が、何かの拍子に薬物を再び使い始めてしまうということは結構あります。
そうした人達の手助けになればと思って、右の書き込み式の本を作ってみました。薬物依存者として医療機関にかかっている人のみならず、犯罪者として処遇されてきた人も対象にした本です。
違法薬物の離脱に真っ向から向き合おうと思っている人は同書の第一部を、違法薬物をやるつもりはないけれど社会生活がなんとなくしっくりいかないと思う人は同書の第二部から取り組んでみてはどうかと考えています。