指導教員
藤野京子のプロフィール
学歴
1984年 早稲田大学第一文学部心理学専修を卒業
1986年 同大学大学院心理学専修修士課程を修了
1992年 米国テキサス州立サム・ヒューストン大学刑事司法学部修士課程(M.A.)を修了
職歴
1986年 国家Ⅰ種(心理)にて法務省矯正局に入局
矯正局勤務のほか、心理職として、東京、八王子、和歌山の各少年鑑別所で勤務
ほか、財団法人矯正協会附属中央研究所及び法務総合研究所研究部にて勤務
2004年 法務省を退職
2004年 早稲田大学文学学術院助教授着任、2009年教授昇任(現在に至る)
藤野からのコメント
法務省在職中は、非行少年に面接や心理テストを行って、彼らがどのようにして非行に走るに至ったのかの心理的メカニズムを明らかにしていく仕事をしてきました。職場の多くの先輩は、一人一人の非行少年にどのように向き合えばよいのかといった非行臨床の姿勢から丁寧にスーパーバイズして下さいました。
また、法務省在職中に米国に留学させていただく機会に恵まれました。社会学、心理学等、各分野の教授陣で構成された刑事司法学科で、非行臨床に限定することなく、このテーマについて学横断的に学ぶことができました。この経験が、個々の非行臨床以外の私の諸研究の礎になっています。なお、2010年秋から1年間、サバティカルを利用して、訪問学者としてケンブリッジ大学の犯罪学研究所にお邪魔しました。
長年の実務経験を活かし、実務家の視点を大切にして、現実を直視した研究をしたいと考えています。
最近の研究例
攻撃性や攻撃行動の研究
「否定的に評価された場面における怒り表出に至るプロセスの解明について」(犯罪心理学研究, 52(1), pp.47-58 (2014))では、どのような場面で、どのような感情が喚起されて、攻撃行動が表れるかを分析しています。
逸脱行動に対する周囲の反応研究
「いじめ場面における第三者に対する状況要因と個人要因が及ぼす影響について」(犯罪心理学研究, 50(1), pp.1-13 (2013))では、他者の問題行動に気づいたとして、人はどのようにふるまうかを検討しています。
女性犯罪者の研究
「女性高齢財産犯の実情」(早稲田大学大学院文学研究科紀要, 61(1), pp.5-20 (2016))では、彼女たちがどのような経過で犯罪に陥っていったかを分析しています。
また、現在、女性犯罪者のライフストーリーを分析しております。分析結果は、近日中にアップする予定です。
当事者の語りの質的研究
「児童虐待を受けた女性サバイバーが30歳代に至るまでのプロセス」(犯罪心理学研究, 47(2), pp.33-46 (2012))では、グラウンデッド・セオリー法を用いて、児童虐待の経験を有しながら、いかに生きぬいてきたかの分析を行っています。
犯罪理論研究
「セルフコントロールの概念をめぐって―Gottfredson & HirschiのSelf-Controlについての心理学的視点からの研究―」(早稲田大学大学院文学研究科紀要, 58(1), pp.21-34, (2013))では、犯罪学のプロセス理論でしばしば登場するセルフコントールの概念について検討しています。
☆研究業績一覧は、早稲田大学研究者データベースをご覧ください。